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僕はカセットを差込み電源を入れたとたん、思わず自分の耳を疑った!
「ハイスコア!ゾ・ン・ビ・ハ・ン・タ〜!」 いきなり画面から聞こえてくる人の声。 「ハイスコア」の部分は、か細い女の人の声で、妙に素朴で、悲しげに元気なんだけど、 「ゾンビハンター」の部分はメチャクチャ不気味で、ゾンビみたいな低い声なのだ。 まあ、ゾンビの声など聞いたことないが、このフレーズが非常にキャッチ−で耳に残る。 そういえば小学校のとき、それが一種の合言葉みたいになっていた。一人が「ハイスコアッ!」って 高い声で言うと、絶対に誰かが「ゾーンービーハーンータァ〜」って低い声でこたえてた。 当時はファミコンから声が聞こえてきただけで、驚き、面白がっていたのだ。 スパルタンXの笑い声「ワッハ、ハッハッハッハッハ」、 タッグチームプロレスリングで鉄柱攻撃の「イデッ」、 イーアルカンフーの「アポッ!」、 どれもこれもマネしては、面白がっていた。 | ||||||||||||
(ハイスコア/87年) | |||||||||||||
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ウォーズ |
クソゲーとして位置づけてしまうのは、あまりにも畏れ多い。
ファミコン界の禁断の果実こと「ボコスカ・ウォーズ」を紹介してしまおうか。どうしようか。やめとこうか。
驚くべきはそのゲーム性、必要なのは99%運なのだ。 じゃあ残りの1%とは何なのかと思われるかもしれないが、それはファミコン本体とこのカセットである! (こういう事を書くと、じゃあ空気は?とか手は?とか言われちゃうので、あまり深く考えないこと。) 画面は横スクロールのいかにも初期ゲーといった簡素な作りで、 右から左へ進んでいき、敵に突っ込むと自動的に戦闘になる。 ギャグ漫画の喧嘩シーンでよくある、砂ぼこリになってボコスカボコスカとなる演出である。 (っていうか、だからボコスカウォーズなのか?) そして数秒後自動的に勝敗が決まっているのである。 ドラクエで例えるなら 「スライムがあらわれた!どうする?たたかう!バシッ!○○のダメージ(中略)スライムを倒した!」 という場面が「スライムがあらわれた!勝った!」になるのである。なんともシュールな世界ではないか。 負けた場合、原因がわからないため、反省のしようがないのだ!そういう意味で99%運としか言いようが無い。 このゲームは仲間が牢屋の中にいたり、木とかに隠れてたりして、そいつらを助けて引き連れることができる。 多くの仲間を助けて大軍をつくり、これまた大量の敵に突っ込む姿は、さながら戦国時代の合戦を連想させる。 そして何といってもラスボスがデカかった。 「勝負は時の運」というが、このゲームをやればその言葉が身にしみてわかる。 | ||||||||||||
(アスキー/85年) | |||||||||||||
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ファミコン初期の時代、僕は子供心に「このゲームは難解だな」と思っていたが、
まだ“クソゲー”なんて言葉がなかったころから、このソフトは将来“クソゲー”と
呼ばれることになるだろうと、思ったのか思わなかったのか、なぜか印象深いゲームだった。
内容は 不気味な二色のきのこが、謎の黄色い玉とたわむれる といった感じか。ゲームの内容を文章で説明するのは難しいが、残念ながらこれが僕の全力の説明だ。 「椅子って何?」って聞かれたら困ると思う。それと同じなのだ。 椅子は椅子であって机ではない。ロットロットもロットロットであり、ロットロット以外の何者でもないのだ。 逆に考えるとそれは「最高のオリジナリティ」という事になる。1200種類以上のファミコンゲームを やってきた僕でさえ、似たようなソフトの名前を挙げられないのである。だからと言って名作とは言えないし、 面白いわけでもない。実はファミコンには、そういうゲームが多い。オリジナリティだけで終わってしまうゲームだ。 本当のオリジナリティとは、ありふれていなければならない と僕は思う。ありふれているのに、まだ誰も気付いてない何かを見つけ出したゲームが、 本当の「最高のオリジナリティ」であり、名作と呼ばれるゲームなのではないだろうか。 | ||||||||||||
(アスキー/85年) | |||||||||||||
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